こんにちは!
福岡市博多区の「レナータ・はり灸」です。
暦の上では立秋で24節季72候では8月8日から8月12日では涼風至(すずかぜいたる)。
夏の暑い風から、秋の涼しい風に変わりはじめる頃。
聞いただけで涼を感じられる印象がありますが、まだまだ暑さの厳しい日が続いています。
一歩外に出ると大量の汗をかくし、室内や電車の中はエアコンの効きすぎで体温管理も難しいです。
冷たいものばかり欲しくなりますし...
しかし夏の終わりから秋にかけて体調を崩しやすい方、冬の冷えがつらい方はこの時期から体調を整えておくと良いです。
このような夏の季節の過ごし方、養生法をご紹介いたします。
夏の生活の養生(黄帝内経素問)
黄帝内経素問という中国の古書に季節と臓器を当てはめた部分があります。
夏の3ケ月(5月6日立夏~8月8日立秋)を蕃秀(ばんしゅう)の季節といいます。草木が成長し、
万物が茂り花咲き乱れ、陽気が最高潮に達する時期。
人間の陽気も全開する花のように全てを外に出すように働きます。
体内の老廃物や毒素を汗とともに皮膚を通じて外に排泄、放散できるようになれば一番です。
陰陽五行によると、夏は火に属し、五臓でいう「心」に対応し、五志は「喜」、五味は「苦味」に対応します。身体内で陽気の多い所は心です。
熱がこもりやすくなるので心臓に持病がある人は注意します。夏に陽気を発散していないと熱が胸にこもり、肺がよく働く秋になると、
その熱によって肺が乾燥し、痰の少ない空咳の原因にもなります。
また、夏でもあまり汗をかかない人や、冷える人、低血圧の人などは夏に体調を崩し易くなります。
夏の生活の養生
- 夜は遅く寝ることがあっても、朝は日の出とともに早く起きる。
- 炎天下の暑いところに長時間いないように気をつける。
- 適当な運動をして、陽気である汗をかくこと。
- 夏の精神養生法は、物事にイライラせず、気持ちを愉快に保ち、適度な汗をかいて暑さや湿気、冷房から身を守ることが大切です。
健康を保つための夏の養生 (現代風)
・午前7時までに起床
(夜型、朝型タイプがあるので無理に午前5時から6時に起きなくても可)
・エアコンを上手に使おう! 室内温度は28度を超えないように
暑さを我慢して大量の汗をかくと、陽気が失われてしまいます。
現在は室内でも熱中症になる事が多いです。
体感での温度調整だけでなく、温度計をみて室内を28度を超えないようにしましょう。
冷えすぎないようにエアコンを上手く使 って、暑さをしのぎましょう。たとえばサーキュレーターや扇風機との併用。上向きで首ふりにすることで冷気を循環さ せてくれます。
扇風機の風を直接皮膚にあてると、皮膚の表面から熱がうばわれて冷えてしまうので 要注意です。
外出先でのエアコン対策も大事です。冷たい空気は下にたまります。ひざ掛けを持参したり、素足にサン ダルも場所によっては控えた方が良いですね。
足先が冷えたなと感じたら、足首を回してあげるだけで も血流がアップし、温まります。
・午後11時から午前3時は夏の睡眠のゴールデンタイム
サマータイムの影響で一時間ずれますが、できれば午前0時を越さないように就寝しましょう。
・適度な水分補給 を 一時間にコップ一杯の水を喉が渇いたと感じる前に
暑いときは水分をごくごくと一気に摂りたくなりますが、冷たいものを急に摂りすぎると脾胃の消化吸収機能 も落ちてしまいます。
水分はこまめに摂るのが重要!ひと口ずつ口に含んで、口の中を潤してあげてからごっくんと飲んでみましょう
・適度に汗をかき熱を発散させよう。
暑い外には出たくない!と涼しい部屋にじっとしていると汗をかきにくくなります。少し涼しく
なる時間帯を利用して適度に汗をかきましょう。汗をかくと体温調節ができ皮膚表面が潤い陽気の流れが良くなります。
夏の食の養生
夏は陽の気が盛んになるので大量の汗をかき、脾胃の消化液の分泌も減少する時期です。
人間も自然界の変化に従って、体内の陽の気が皮膚を通じて外に発散するように心がけるべきです。
この『心の陽気』をうまく発散しないと、身体は暑さを感じ始め、冷房や冷飲を好むようになり、続けると下痢をするようになります。
また、夏に陽気を発散しきれないと胸に熱がこもります。
胃腸が冷えて胸に熱がこもると食欲不振や下痢に陥り易くなるので、普段から苦味と酸味のものを適度に食べるのがよいです。
苦味は心に入り、心の陰気を補い、涼血の働きと暑気を払う作用があります。甘味は湿気を助長し、多めに食べれば脾を傷めるため、
甘味は控えめにし、酸味を加えると(湿気を払う)、食欲が改善され、夏の倦怠感がとれます。
・食事は空腹時に回数にとらわれずにとる。一口30回以上よく噛んで食べる。
3食の場合は夕食の量は少なめに 朝4 昼4 夕2 くらいの割合で。
・飲食は過剰摂取しないように
特に冷たいものはなるべく避けるように
・こもった熱をさます食べ物をとってみましょう。
旬の夏の野菜や果物は水分が豊富で熱を冷ます効果が高いものが多いです。
にがうり、セロリ、パセリ等の熱を取る苦み
トマト、パプリカなど血を蓄える赤い色の食材をとる。
キュウリ、トウガン、レンコン、ナス熱を冷ます、利尿効果あり
冷奴やサラダなどには、胃腸の働きを整えるしょうがやねぎ、みょうが、しそなど薬味を一緒にとると からだを冷やしすぎません。
まだまだ残暑が厳しく大変ですが、自然の流れに逆らわずに上手に乗り越えていければ良いですね。